
IT運用管理ソリューションの事例
IT企画業務および運用改善コンサルテーションの事例
BCP要件に基づくデータセンター移転
大手情報サービス企業におけるBCP(事業継続計画)要件に基づき、数ヶ所に分散設置されていた重要システム群を免震ビルに移設するデータセンター移転プロジェクトを、顧客側プロジェクト担当者の立場で支援いたしました。入念な検討の積み重ねやさまざまな工夫によって大きなトラブルを発生させず期間内に完遂したうえに、大幅なコスト削減を実現して顧客から高い評価をいただいた事例を紹介します。
お客様の業種
情報サービス
お客様の目的
事業継続性の観点からITシステム環境の課題を解決すること。事業継続性確保における要件を満たすデータセンターを選定し、リスクを最小限に抑えたうえで、可能な限り早期に各種システムを移設すること
アークシステムの支援の特徴
顧客プロジェクト担当者の立場で、全体計画、設計、調整、管理などデータセンター移設作業全体の取りまとめから、指示、依頼、共有まで幅広く支援
プロダクト
IBMメインフレームシステムからLinux / Windowsシステムおよびルータースイッチなどネットワーク機器まで、同社重要システム群を構成するすべてのプロダクト
ポイント
- データセンター移転プロジェクト全体の企画・計画から方針決め、ベンダー選定、推進まで一気通貫で支援し、顧客の一員としてプロジェクト推進リーダーを務めた
- 顧客にとって過去最大のデータセンター移設であったが、入念な検討の積み重ねやさまざまな工夫により、大きなトラブルを発生させずに期間内で完遂した
- 大幅なランニングコスト削減を創出した
データセンター移転プロジェクトの目的と推進計画
事業継続性を確保するために、必要な要件を満たすデータセンターを選定し、リスクを最小限に抑えたうえで、可能な限り早期に各種システムを移設することを目的とし、
- フェーズ1 ・・・ データセンター選定
- フェーズ2 ・・・ データセンター移設
の、2フェーズに分けて推進する計画となった。
プロジェクトの特徴
-
同社にとって過去最大の物理的なデータセンター移設
1980年代に現在のデータセンター拠点への物理移設作業を実施したが、そのノウハウは現在の現場には残っていない。また台数としては今回が過去最大となる。特に基幹勘定系が設置されている拠点は規模が大きいため、週末だけでの実施は不可能であり、長期休暇内での実施をプランニングする必要がある。 -
20年以上の歴史が蓄積した現システム設置拠点からの移設
旧センターは長期間利用し続けているため、すべての設備的情報が管理されていない可能性がある。通信回線、電話回線、設備内容、利用状況などの管理情報だけでは”ヌケ、モレ”の恐れがある。 -
物理移設
環境移行ではなく物理的な移設(引っ越し)であり、また代替機も用意できないために事前検証は実施できない。障害発生時には顧客社内のみならず、クライアントやカスタマーにまで多大なる影響を与える危険を内包するリスクの高いプロジェクトである。 -
大量のシステム間インターフェース
基幹勘定系および情報系DWHは多数のシステムとインターフェースをとっているため、移転調整だけでなく検証調整が必要であり、かつ調整範囲が広い。 -
選定した新データセンターのベンダーはプロジェクト主幹部門とっては初ベンダー
同社のプロジェクト主幹部門にとって、提案ベンダーおよびデータセンターベンダーともに初めてのお付き合いになるため、企業文化、推進手法、スキルなどが未知数である。
移設規模
新データセンターへ移設する拠点は、基幹勘定系システムなどを有する拠点A、グループウェアシステムやネットワークシステムの拠点B、ネットワークシステム中心の拠点Cの3つである。
データセンター移設のステップは1st、2nd、3rdの三段階に分けて実施する。1st移設では拠点Aを、2nd移設では拠点Bを、3rd移設では拠点Bと拠点Cのネットワーク系資源の移設を行う計画とした。

データセンター移転プロジェクトの概要スケジュール
- プロジェクトのキックオフから、3rd移設の予備期間終了まで、約2年半かけて実施するスケジュールを引いた。
- 大きく2つのフェーズに分かれており、フェーズ1ではデータセンターの選定を、フェーズ2では実際の移転を実施する。
データセンター移転プロジェクトの概要スケジュール(別ウィンドウで開きます)
プロジェクト体制
顧客側のプロジェクト体制は、推進ボードと呼ぶ上位組織のプロジェクト全体責任者のもとで、大きくは「標準基盤システム系対応チーム」と「事業システム系対応チーム」に分かれている。この2つの組織と横並びに外部のデータセンターベンダーや運搬物流ベンダーが位置する体制だ。
アークシステムは顧客側の組織に属し、推進ボードおよび標準基盤システム系対応/事業システム系対応の両チームにおいて、プロジェクトリーダー、計数管理、チームリーダーなどの立場でプロジェクトを支援した。
一方、ネットワークシステム、情報系DWHシステム、仮想化サーバーインフラなど、各システム側の担当者としても、定常運用を支援しているアークシステム技術者が移設作業を担当した。
アークシステムの支援内容
顧客側プロジェクト担当者の立場で、全体計画、設計、調整、管理など移設作業全体の取りまとめから、指示、依頼、共有まで幅広く支援を行った。
フェーズ1「データセンター選定」での支援内容
| 項目 | 業務内容 |
|---|---|
| プロジェクトキックオフ |
|
| プロジェクト推進 |
|
| データセンター選定作業 |
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| フェーズ2(データセンター移設)準備作業 |
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フェーズ2「データセンター移設」での支援内容
| 項目 | 業務内容 |
|---|---|
| プロジェクト推進 |
|
| 新データセンターへの移設準備対応業務 |
|
| 新データセンターへの移設作業 |
|
| 新データセンター運用構築 |
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各システム側の担当者として、同社のネットワーク定常運用業務を担当するアークシステム技術者が、以下のネットワーク構築業務も実施した。
| 項目 | 業務内容 |
|---|---|
| 新データセンターのネットワーク構築 |
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プロジェクト効果および顧客評価
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大きなトラブルを発生させずに期間内で完遂
代替機のない物理移転で事前検証を行えないため、障害発生時には顧客社内のみならず、クライアントやカスタマーにまで多大なる影響を与えるリスクの高いプロジェクトであった。かつ顧客側にもこの規模の移転の経験やスキル、ノウハウがなかったことから、入念な検討を積み重ねて作業の標準化やテンプレート化を実施し、全体俯瞰とリスク検知が素早く行えるようなフレームを作り上げた。結果として大きなトラブルを発生させずに期間内でデータセンター移転プロジェクトを完遂した。 -
大小さまざまな工夫でリスクを軽減
- プロジェクトの役割と各システム担当の役割を明確に定義し、各システム担当向けの説明会を何度も設け、おのおのの役割と作業への理解を深めてもらうことにより、効率的で過不足なく移設作業を行った。
- 当初IBMメインフレームのSystem z10はお盆時期(およそ1週間)に移設する計画であったが、休眠していた旧サーバーz9に切り戻し、z10を先行して新データセンターに物理移設することにより、夏季休暇中の移設リスクを大幅に減少させた。
- お盆時期の移設作業時に、事前申請した工事の”ヌケ、モレ”などによる突発的な設備工事が必要となるリスクを想定し、相応の人員体制を要請したことにより、残念ながら発生してしまった設計ミスなどによる追加作業にも迅速に対処でき、プロジェクトの大筋に影響を与えることなく移設を完了させた。
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顧客IT部門における年間MVPを受彰
当データセンター移転プロジェクトは、顧客企業のBCPに掲げられた事業継続性を確保するために必要な要件を満たしたこと、大きなトラブルを発生させずに期間内で完遂したこと、大幅なランニングコスト削減を創出したことなどが評価され、顧客IT部門の表彰制度において年間MVPを受彰した。









