IBMメインフレーム環境のバージョンアップ事例
IBMメインフレーム系システムソフトウェア(Z/OSおよびDB2、CICSなどのシステムソフトウェア製品)の保守切れに伴う老朽化対応を、当社で保有する多くの経験とノウハウを武器に、より安全かつ効率良くシステム更改プロジェクトを遂行します。
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事例企業、取材対象者の情報
メインフレーム基盤環境更改での豊富な実績
当社では、メインフレーム環境のバージョンアップのための調査(現環境調査、変更点調査)から、バージョンアップ計画の策定、基本計画、カスタマイズ作業、切り替えまで、バージョンアップに関するすべてのフェーズでのご支援が可能です。下記の表の通り、当社はIBMメインフレーム領域のシステムソフトウェア(Z/OS、DB2、CICS、IMSなど)に関する豊富な業務実績を有しており、さまざまなケースでの課題解決に取り組んできました。
対象ソフトウェア | プロジェクト実績数 |
---|---|
z/OS基本ソフトウェア導入・カスタマイズ | 87 |
DB2導入・カスタマイズ | 84 |
CICS導入・カスタマイズ | 130 |
IMS導入・カスタマイズ | 14 |
<集計期間:2014年4月~2024年3月>
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システム更改におけるお客様の課題
安定運用が求められている
IBMメインフレーム環境であるが、経験とスキルの蓄積が難しい
IBMメインフレーム環境(以下、「汎用機環境」という)は、ご存じの通り、重要なシステムが稼働しているにも関わらず、社内外を問わず、年々技術者が減少していく傾向にあります。一方で、ビジネス環境の変化に伴い、汎用機環境に対して細やかな修正が加えられることも多くなっています。自社汎用機技術者の減少に伴い、その場その場での対応に終始することもあり、自社環境に関する情報も更新されず、汎用機環境がブラックボックス化していく傾向にあります。
汎用機環境もマシンリプレースやソフトウェアの保守切れ対応は必要です。それぞれの製品のバージョンアッププロジェクトの立ち上げにおいて、前述の通り、自社の環境の詳細を把握している技術者が少ないため、環境調査も難航し企画立案に時間がかかり、計画の精度も高くなりにくいというのはよくある話です。汎用機環境のバージョンアップは他システムへの影響も大きく、コストもかかり、精度の低い計画では社内の投資決裁がおりず、プロジェクトをスタートできずにプロジェクトの立ち上げが遅れがちとなり、結果的に保守切れの期限に間に合わなくなるリスクが大きくなります。また、スタートできないことにより、体制を再構築することでリスクは高まり、それを解消するためにまたコストがかかるという悪循環となっています。当社も、このような課題をお持ちの多くのお客様から、さまざまなご相談をお受けしています。
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ご支援にあたっての基本的なコンセプト
請負、ユーザー様業務支援、
ベンダー様プロジェクトへの参画など、さまざまな形態での支援が可能
支援形態実績としては下記3つのパターンがあります。
- ユーザー様が実施する業務に関する支援
- 現環境調査、プロジェクト企画立案、PMOなど
- 製品ベンダー、SIer様との共同プロジェクト
- 不足する製品知識や工数を補完する形での参画
- アークシステムが一次請け
- バージョンアップ作業全般を実施
- IBM製品に限定せず、3rdベンダーの製品も対応可能
上記のようなスコープでバージョンアップ業務をご支援することが可能です。通常はお客様が主体で実施される企画、調査、計画作成といったフェーズから、実際の設計・実装・移行まで、柔軟な関わり方が可能です。また、QA支援といった手軽なサービスも提供しています。
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基盤環境バージョンアップ支援
計画立案・調査~設計・実装・テスト・移行まで一貫して支援
アークシステムがご提供している業務内容例です。
計画・設計フェーズ
- プロジェクトスコープ確定
- システム環境設計
- 現行環境調査
- カスタマイズ作業項目洗い出し
- 担当割り振り決定
- 基本テスト項目洗い出し
- スケジュール作成
- 移行後環境イメージ作成
- 定例ミーティングへの参画
事前調査フェーズ
- 必要資源調査
- 各ソフトウェア製品の新機能調査
- 各ソフトウェア製品の変更点調査
- 新機能、変更点についてのユーザーガイド作成
- 新機能、変更点などの技術情報共有会の実施
- 変更対象システムの調査
導入/IVPフェーズ
- 導入作業
- IVP作業
- 導入報告書作成
- PTF適用
カスタマイズフェーズ
- システムパラメーターコンバージョン
- カタログドプロシージャコンバージョン
- カタログコンバージョン
- 基盤プロダクト定義コンバージョン
- システムデータセット作成、コピー
- カスタマイズ報告書作成
基本テストフェーズ
- カスタマイズ内容確認テスト
- 基盤プロダクト基本機能テスト
- テスト報告書作成
ユーザーテストフェーズ
- テスト立ち会い
- 障害発生時問題対応
移行準備フェーズ
- 「カスタマイズ」フェーズ作業で最新情報反映が必要なものを実施
移行フェーズ
- 移行作業
- 移行立ち会い
- パフォーマンス評価・検証
- 移行後フォロー
- 移行報告書作成
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移行後のご評価や改善点
バージョンアップ後のメインフレームの更なる活用に貢献する
当社はバージョンアップを通じて、さらなるIBMメインフレームを活用していくための環境を整備することに貢献しています。ユーザー様の作業となる下記の作業なども、ご支援させていただきます。
新機能適用(検討・カスタマイズ・基本テスト)
バージョンアップの機会に旧バージョンで使用していなかった機能をシステムに組み込むようなケースで、組み込みの可否検討、該当機能のガイド、適用・カスタマイズおよび基本テストを実施します。
ユーザーEXITコンバージョン
バージョンアップにともない変更の必要が生じるお客様作成のユーザーEXIT (SMF EXITなど) について、改修、組み込みならびにテストを実施し、正常に機能することを確認します。
各種運用手順改修
お客様が作成されている運用関連の各種ドキュメント類を調査し、バージョンアップにともない改修が必要な箇所を洗い出します。ご要望に応じてドキュメントそのものの改修も実施いたします。
オペレーター教育支援
バージョンアップにともなうオペレーション変更点を中心に、安全な運用の確立を実現するためにオペレーター様への教育を支援いたします。
ネットワークテスト
ネットワーク・プロダクトのバージョンアップにともない、ネットワークが正常に機能することを確認するため、接続確認テストを実施します。
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おわりに
同様な課題を持つ企業へ
バージョンアップ作業は「守り」のための対策と思われがちです。しかしながら、バージョンアップ作業をメインフレーム環境が“見える化”できる機会にすることができれば、その後の運用改善や運用コスト削減、新機能の活用に役立てていくことが可能です。当社はIBM単体プロダクト、ベンダーソフトウェアなどに多数の実績と知見を持つだけでなく、メインフレームの運用実績も豊富ですので、運用環境の改善やレベルアップを目指してお客様のご期待に継続的にお応えしていくことができます。
メインフレーム環境の維持管理やシステム更改において課題をお持ちのお客様は、ぜひともお気軽にお問い合わせください。