Linux for System z 構築支援
アプリケーション基盤としてのLinux for System z(以下、z/Linux)の構築において、信頼性、安定性、優れたI/O処理、同時並行処理などのSystem zの優位性を活かしたオープン基盤としてフルに活用するために、長きに渡ってメインフレーム技術に携わってきたアークシステムだからこそ実現できるソリューションがあります。
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プロジェクト実績
豊富な構築経験
アークシステムがこれまでに携わってきたLinux for System zの構築支援の実績をご紹介いたします。
金融A社
営業店に散在する2100台のサーバーをz/Linuxによって統合するという、アジア圏内では最大級の統合規模となったプロジェクトでした。10台のSystem z、300を超えるz/Linux のインフラの設計・構築に加え、システムアベイラビリティの確保、および大規模サーバー群のリソース管理(Linuxパッケージ管理)を実現する運用上の仕組み作りに携わりました。
金融B社
金融系企業のお客様において新規システムとしてファイルサーバーを構築するプロジェクトでした。z/Linuxのパラメータ設定および確認コマンドからの出力形式を意識した上で、設計書(設定情報部分)のフォーマットおよび記述方法を検討・作成し、設定ミスや、設定値の確認ミスを極力排除する仕組みを構築しました。また、z/Linuxにおいて一般的なクラスタリングソフトであるTSA(Tivoli System Automation)の設計、構築にも携わりました。
情報C社
お客様の提供するクラウドサービスで性能限界を迎えたIAサーバーを国内最大規模のIFLを有するSystem zへ移行するプロジェクトでした。ハードウエア環境の構築からz/Linux環境の設計、構築を実施。合わせてSystem zを初めて運用するお客様へ、System z特有の作業について手順の引継ぎを実施しました。
放送D社
LPAR nativeとz/VM上の両方のz/Linuxが存在するシステムのバージョンアッププロジェクトでした。アークシステムはz/VMとz/Linux両方のOSのバージョンアップを担当。スケジュールや必要な情報を担当者間で密に連携することで、効率的にプロジェクトを実施いたしました。また、z/Linuxは当時導入事例の少ない最新バージョンでしたが、これまでの経験を活かし、緻密な単体テストを計画・実施することで一度も障害を発生させることなく移行を完遂いたしました。
関連技術実績
- OS
- RedHat Enterprise Linux(RHEL)、SuSE Enterprise Linux(SLES)※共に各種バージョン
- ディスク装置
- DS8000シリーズ
- ディスク形式
- ECKD、SCSI Disk(FB)
- 論理ディスク
- MDミラー、ストライピングLVM
- ネットワーク
- HiperSocket、Channel Bonding、VSWITCH
- ハードウェア連携ツール
- snipl、dscliを使用したスクリプト作成
- クラスタリング
- Tivoli System Automation(TSA)
- 仮想化
- z/VM、PR/SM(LPAR Native)
- テープ管理
- Tivoli Storage Manager(TSM)
02
Linux for System z のメリットを享受する
先を見据えた基盤・運用設計の必要性
System zを使ってシステムを構築する場合、そのメリットを享受するためには、どのような考慮が必要で、今後どのような場面でどのような作業が必要となるのかを見据えて基盤・運用設計をする必要があります。
System zはもともと専用のOSであるz/OSが稼働するためのハードウェアです。z/Linuxを採用するお客様には「System zをすでに使っているお客様」と、「System zを始めて使うお客様」がいらっしゃいますが、z/Linuxを採用した場合の課題はそれぞれの環境で異なります。
前者のお客様にとっては、System z上で稼働するOSがLinuxになるというシンプルなケースですので、設計・運用上z/OSで意識している部分がz/Linuxではどうなのか?といった点が明確になれば大きな問題はありません。
一方で「System zを初めて使うお客様」にとっては何を考慮すべきなのかがわからない、といった悩みをよく伺います。ハードウェアの2重化機構など、System zを採用した時点で何も考えずに享受できるメリットもありますが、そうでないものもあります。例えば「System z上で稼働するLinuxのリソース配分を変更したい」といった要望があった場合、現在適用されている配分を変更するには、ハードウェア設定変更等の操作を実施する必要があります。基本的には動的に反映できますが、例えばCPU数やメモリ量は事前に想定しておく必要があり、好きな時に好きなように変更できるわけではありません。
また、ハードウェアの追加や交換、OSの追加作業なども、System z全体の停止をしなくてはならないような場合もあります。
System zに詳しい技術者がいない状況でSystem zのメリットを享受できる形で運用するためには、今後発生し得る保守作業を想定し、基盤・運用設計の段階で手順を含めて設計しておく必要があるのです。
03
アークシステムの構築支援
アークシステムだからできるz/Linux構築支援
アークシステムは創立以来IBMメインフレーム(System zおよびz/OS)の構築・運用案件に携わってまいりました。さらに最近では、z/Linuxの構築についても領域を拡大し、300 OSを超えるz/Linuxを実装する大規模プロジェクトから既存のSystem z上にz/Linuxを追加するようなプロジェクトまで幅広い経験があります。
アークシステムのz/Linux構築支援では以下のようなサポートを実施いたします。
基盤設計
お客様の今後の利用想定をお伺いしたうえで、今まで培ってきたSystem zの経験をもとに、System zのメリットを最大限に享受できるように考慮したうえでSystem zおよびz/Linuxの設計を行います。
構築
大規模プロジェクトへの参画を通じて得た技術やノウハウをもとに、お客様の規模に応じて、最適な構築手法を検討し、効率的なシステム構築を行います。
運用設計
お客様環境においてSystem zおよびz/Linuxを運用していく中で発生し得る運用作業の洗い出しと、必要となる運用ツールの作成から運用手順の作成、担当SEへの引継ぎまで対応いたします。
トラブルシューティング
z/Linuxは良くも悪くも枯れていないOSです。z/OSのように専用ハードウェアで稼働することを前提とされていない点や、通常のLinuxと同様に新しい機構が取り込まれて続けている点に加え、System zという拡張性に優れたハードウェアで稼働するOSとして、ハードウェアの拡張性に対応できる必要があるといった特性もあり、製品起因のトラブルが発生することがあります。当社が本格的にz/Linuxに携わり始めた10数年前と比べるとトラブルの発生割合は少なくなってきてはいますが、なかなかゼロにはならないのが現状です。アークシステムはさまざまな大規模プロジェクトに携わる中で、z/Linuxのトラブルシューティングにも数多くの経験があり、STSS(IBMシステム技術支援サービス)とのやり取りを含めて問題解決に向けてベストなパフォーマンスを発揮いたします。
もちろん上記以外にもプロジェクト管理から各種システムテストを含め、設計~運用開始までサポートいたします。
04
z/Linuxの市場動向と当社のこれから
System z とともに歩み続けるアークシステム
高価なイメージのあるSystem zですが、z/Linuxでシステムを構築するという案件は増えています。アークシステムがご支援させていただいたお客様に「なぜSystem zを選ばれたのですか?」という質問をすると、意外にも「他の選択肢と比較した結果、将来性も考えるとトータルでのコストが安くなる」というお話を伺います。構築するシステムの規模やシステム基盤に求める要件によって異なりますが、コスト面の評価においても、System zが優位に立つことがあります。ただ、z/Linux採択の背景には、やはりSystem zが長年に渡って基幹業務を支えてきた実績をベースとした高い「信頼性」や「可用性」「拡張性」に加え、洗礼された「仮想化技術」といったメリットを享受できるところが大きいこともうかがえます。
System zは時代の流れとともに革新的な機能が追加され続けています。アークシステムはハードウェアとしての優位性はもちろんのこと、その機能を最大限に活かすことのできるz/OSの構築案件に携わり続けている中で身に着けた知識や利用技術をLinux for System zを利用するお客様にお届けします。