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第2章 :9つの「管理項目」の概要

9システム運用 「稼動管理」の概要は?

1. 体制

稼動管理を実施する上での責任者・担当者などの体制を整備し、各担当の役割を明確化することにより、より円滑に運用を進めることが可能となります。下表にその例を示します。

名称 主な役割 該当者の例
稼動管理責任者
  • システム運用における全責任を負う
システム運用部長
稼動管理担当者
  • 稼動管理を行う
  • 担当組織内の全運用管理業務に責任を負う
システム運用課長
各管理担当
  • スケジュール管理、オペレーション管理、稼動監視における全体コントロールを行う
  • 各種調整・連絡・確認会招集などを実施する
システム運用担当者
各運用担当
  • 各々の運用を実施する
アプリケーションおよびシステム運用担当者

2. スケジュール管理

1. スケジュール管理対象

スケジュールを管理する際に基本となるのは、

  • システム稼動日 (通常運用)
  • システム停止日

です。システム稼動日においては、

  • 業務オンライン
  • 業務バッチ
  • 運用管理バッチ

などの通常運用処理のスケジュールを管理します。また、システム停止日においては、

  • 法定点検
  • 定期保守
  • システム変更

などの、通常運用中にはできない作業項目を対象とします。

2. スケジュール作成

スケジュールを決定するには、まず、マシン稼動日を確定し、確定した各マシン稼動日の詳細スケジュールを下表のように決定します。

マシン稼動日の確定 下記の優先順序で決定していく。
  • 業務要件
    サービス開始前に利用者と運用者で取り決めた利用可能時間帯、デリバリー時刻や計画停止スケジュールなどを基準とする
  • 臨時対応
    SLAで特に定めていない一時的・臨時的な状況を考慮すべき場合には、付加要件としてスケジュールに組み込む
  • システム停止をともなう要件
    稼動に関する要件が揃った上で、システム変更や定期保守など、停止すべき要件を決定する
業務スケジュール決定 マシン稼動日をもとに、どの業務をいつ実施するかをスケジュールする。
  • 業務スケジュール
    業務ごとに定められている実施条件に基づいて決定する。一般的には企業の営業日を決める1年単位でマシン稼動日を決定し、これにそって年次スケジュール作成後、月次スケジュール、日々の運用 (つまり日次スケジュール) に落とし込む。
  • 年次スケジュール
    遅くとも、年次開始月の月次スケジュール作成に間に合うようなタイミングで確定する。例えば、月次スケジュールを前月20日に作成する場合、年次スケジュールは20日以前までに確定する。負荷が高くなりやすい休暇前後や月末月初は、業務調整が可能であれば負荷分散する。
  • 月次スケジュール
    年間を通してのスケジュールを作成した後、個別調整が入ることを考慮し、前月半ば前後に月次スケジュールの最終化を行うことが望ましい。その際、ピーク時負荷分散を考慮する。運用業務のスケジュールは、業務スケジュール確定後、負荷バランスを考慮し、時間的制約がない処理は余裕のある時間帯にスケジューリングする。

3. スケジュールに基づいた運用の実施

確定したスケジュールに基づき運用を実施しますが、人手によるスケジュール管理は困難であり、ミスによるトラブル発生の可能性も高くなります。そのため、定常運用においては、自動運用ツールを利用してスケジュールの作成/変更/実施を一連の流れで行うことが一般的です。

3. オペレーション管理

オペレーション管理には、以下の作業項目があります。各項目を標準化し、誰が行っても同様の処理ができるようにしておくことが主旨です。

1. オペレーション運用管理

運用 (オペレーション) マニュアル、手順書などの作成、維持
  • オペレーション業務全般にわたり、信頼性が高く効率的な運用を実施していくため、オペレーション手順などを定めたマニュアルを作成し維持する
  • オペレーション業務は、マニュアルに従って遂行されなければならない。運用マニュアルに従った作業を行うことにより、正確な処理や効率的な運用を実現することができる
  • 各作業の手順化、マニュアル化にあたっては、可能な限り自動化し、作業の安全性、正確性を高める必要がある
作業内容や手順の改善 オペレーション作業内容・手順は常時見直し、問題がある場合は、改善を実施する
オペレーション実施管理
  • 消耗品 (用紙、テープ、プリンタリボンなど) の在庫管理
  • オペレーション作業の実行管理
    運用スケジュールに基づいて、システムの操作指示などのオペレーション指示を定められた体制にしたがって実施する。操作にあたっては操作指示書でオペレーターに指示し、実施結果の確認も行う
  • 引継ぎ
    オペレーションの要員交替時には、運用管理者やオペレーターの引継ぎを確実に行う。担当したオペレーション作業がすべて完了したかを、操作指示書で確実に引継ぐことが重要

2. 業務処理管理

オペレーション業務の、実際の実施状況を管理します。

業務処理の実行管理 運用スケジュールに基づく業務処理依頼の管理を指す
  • 運用スケジュールに基づき、オペレーターへの作業依頼書を作成し、業務実施を依頼する
  • 作業依頼書には、依頼側と受理側の確認欄を設け、手続きと作業内容が確認されたことを明確にしておくとともに、処理後は回収して実績管理を行えるようにしておく
作業実績管理 作業実績の管理は、業務処理およびオペレーション作業の両面から管理していくことが必要である
  • 業務処理の実績確認内容
  • オペレーション作業の作業実績管理

3. 入出力データ管理

データの入出力、媒体および帳票の管理方法を定め、取り扱い方法や受け渡し方法を規定します。データ入出力作業の作業手順書を作成し、それぞれの作業が確実に実施されているかを管理する必要があります。

入力データ管理

入力データ管理者を定め、入力データに関する以下の内容を管理します。

  • 入力データの種類
  • 入力データの到着
  • 処理開始の指示
  • 処理後の入力媒体の取り扱い

出力データ管理

出力データ管理者を定め、出力データに関する以下の内容を管理します。

  • 出力データ取り扱い
  • 出力データの保管 (詳細は4. 入出力媒体の保管管理)
  • 出力媒体の発送
  • 出力帳票の確認
  • 利用者への送付

4. 入出力媒体の保管管理

データの正確性の確保や、データ紛失・盗難防止のため、データ保管規定を定め、正しくデータ保管を行います。

データの保管
  • 保管管理台帳の作成
  • データ保管 (含外部保管)
  • 保管物の品質管理
データ保管室の入出庫管理
  • 入出庫管理方法
    入出庫に関する管理作業は、データの保全やセキュリティ向上の観点からも重要である。管理者や担当者の業務分担を明確に定めることにより、データ管理を厳密に行う
  • 定期棚卸
    データ保管室は保管物の品質維持や、紛失および書類上の手続きの漏れなどを検査するため、定期的に保管物の内容と管理台帳を照らし合わせ、保管状況の確認と報告を行う必要がある。作業サイクルは保管物の量や種類により異なる。

5. オペレーション業務に使用する運用マニュアル (例)

業務運用マニュアル
  • 業務の内容を正しく認識するためのマニュアル・・・ネットフロー図、ジョブフロー図
  • 業務を運用する作業手順を示すマニュアル・・・ジョブ処理手順書、入出力データ作成手順書、業務作業指示書、業務処理確認書
  • 異常発生時に作業手順を確認するマニュアル・・・異常時対応手順書
システム運用マニュアル
  • オペレーターに対し定常的な作業手順を示すマニュアル・・・オペレーション指示書、作業手順書
  • 運用管理担当者およびオペレーターに機器の操作手順を示すマニュアル・・・機器操作マニュアル
  • 異常発生時に作業手順を確認するマニュアル・・・障害対応手順書

4. 稼動監視

稼動監視の目的は、リアルタイムでの稼動状況の把握と、障害発生の検知と迅速な連絡です (※)。そのために稼動監視は以下の手順で実施します。

※一次対応以降については問題管理、また、中長期的な稼動状況の把握については性能管理の管理項目と位置付けられます。

1. 管理項目と管理内容の決定

項目 内容 備考
対象 対象となるハードウェアおよびソフトウェア、業務アプリケーションなど
監視内容 どのような状況を異常と見なして警告するかなど
異常検知方法 異常と見なされる状態の検知方法、警告など コンソールメッセージの高輝度化、音声での通知など、異常を見過ごさないような工夫が必要
連絡先 異常検知時に検知者が報告すべき先など 定期的な見直しが必要

2. 通知体制の整備

内容 検知・通報に関する考慮事項
  • 即時対応要否と対応遅延の影響の明確化
  • 通報先とその内容
  • 検知から通報まで一気になされること
  • 検知は、視覚・聴覚の双方で認識できること
  • 検知された状況が、一次対応者に必ず通報されるしくみ
  • 検知者が通報後、通報受諾状況を受け取れるしくみ

3. 稼動監視の実施

あらかじめ稼動監視対応手順書、稼動監視一覧、通報先一覧などのマニュアルを作成しておき、定められた手順に従って稼動監視を行います。

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